マイレコ

My Records ・ My Reccomends ・ Mile Records

心の中にミニマリストを召喚した話

4月中旬、在宅ワークをはじめるにあたり、自宅に仕事用のスペースが必要になった。食卓として使っているローテーブルは、数時間座っていると腰が痛くなるし、テレビとベッドに挟まれているので誘惑が大きすぎる。とすれば、私に残された道はただひとつ…

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ゴミ溜め状態の鏡台を整理する他ない。

 

写真を見ると「どうしてこうなっちゃんだろう」と悲しくなる。なけなしの名誉のために記しておくが、私は一見しっかり者にも見えるアラサーOLである。清潔感を大事にしているし、この写真をみてなんとも思わない「きたな好き」ではない。

しかし、毎日生活しているうちに、こんなことになってしまっていたのだ。化粧品は使ったまま放置、ルースパウダーは飛び散り放題、旅行用にポーチに詰め込んだものはそのままポーチごと机の上に放置、コスメサンプルや休足時間が奇跡的なバランスで山積み…。

「どこに何があるかわかるの?」という声が聞こえてきそうだが、それは「わかる。」毎日この机を鏡台として使っているのだから。せわしない朝にバタバタお化粧するためには、椅子や余白スペースがなくてもなんとかなってしまうものだ。

 

とはいえ、在宅ワークできる場所はここ以外ない。早急に片付ける必要がある。

私は大掃除や片付けが苦手だ。もっと正確にいうと「モノを捨てること」が苦手。加えてモノが好きだ。消費欲(物欲)が激しいし、可愛らしいお菓子の化粧箱やコスメサンプルの類も何かに使えそうだからとっておく。そのため、年末の大掃除などでも捨てるものは少ない。A地点からB地点の移動や、角を揃えて見栄えをよくする程度の「片付け」しかしない。「断捨離」とは縁遠い。

 

この荒れ果てた鏡台も、中身を吟味していたら時間がかかって仕方がない。仕事スペース確保のため、全てまとめて紙袋にでも突っ込んでおいて、あとで時間をかけて整理しよう…

しかし今回、私の心が疼いた。

「本当にそれでいいの?ここにあるものの全てを把握してる?」

このまま紙袋に詰め込んだらダメだ、負の遺産が生まれてしまう…と心の中で誰かが叫んだ。

 

私の心の中に、ミニマリスト爆誕

 

いや、召喚といった方が正しいかもしれない。この心境の変化は確実に恋人の影響であるからだ。私の彼氏はミニマリスト見習いで、モノを持とうとしない。「モノを増やしたくない」は口癖で、買い物でもすぐ文具や食器を欲しがる私に「本当にそれ必要?」と言ってくる。ワードローブは10着ぐらい。好きな言葉はLESS IS MORE.

彼はこれまでも私のモノ好き(ミニマリストの対義でマキシマリストというらしい)に度々言及してきたし、Netflixの「KonMari (こんまり)」も一緒に見せられた。しかし価値観というものはすぐに変わるわけではなく、私にはミニマリストな暮らしは無理と思っていた。だが今にも雪崩が起きそうな鏡台を前にして、彼の地道な努力(布教活動?)が実ったようである。

 

このブログでは、カメラロールに残っている記録写真をもとに、心の中に召喚されたミニマリストが私に伝えた教訓をまとめたい。

 

ミニマリスト教訓①:自分が持っているモノを把握せよ

私の心の中に召喚されたミニマリストは、まず私に「自分が持っているモノの全貌を知れ」と語りかけてきた。机の上のゴミ(本来ゴミ箱に入っているべき、使用済みのコットンや使い捨てコンタクトレンズの容器)を取り除き、まず全体を捉えると、机の上には、使いこなせていない無印のクリアケースがあった。中身はほぼ空。中にあるべき化粧品が全て机上に出しっぱなしであることがよくわかる。また机の上には購入後まだ箱から出していないアイテムも大量にあった。そこでまず大まかな容器の位置を整え、化粧品を洗い出す。ついでに鏡も磨く。(鏡が信じられないほど汚かった。)

ここまでしたところで、こんな感じ。だいぶ綺麗になりそうな予感がした。

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ミニマリスト教訓②:持っているモノは使い切れ

続いて、机の上にある化粧品を「使いかけ」と「未使用」に分ける。心の中のミニマリスト曰く、「モノは買うことにではなく、使い切ることに快感を覚えよ」とのこと。大量の未使用化粧品を目の前にして、一理あるなと頷かざるを得ない。私は化粧品を買うことが楽しいのであって、買ったまま袋から出さずに放置しているものすらあった。使い切る直前に次のアイテムを購入して、中途半端に残ったまま放置しているアイテムもあった。そして厄介なのはコスメサンプル。百貨店のカウンターなどで商品を購入するとサンプルをつけてくれることがあるが、後生大事に保管してしまう。私の机からは実に60個を超えるコスメサンプルが発見された。机の左には未使用の化粧品とコスメサンプルを、机の中央には使いかけの化粧品たちを集めた。心の中のミニマリストは言う。「当面、新しい化粧品を買ってはならない。この机上にあるモノを全て使い切るまで…。」

 ここまでで鏡台としてのある程度の完成形が見えてきた。

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ミニマリスト教訓③:「余白」こそクリエイティブ

在宅ワーク用のスペース作りが目的であった。そのため今回は、化粧品を一部ローテーブルに移動させ、鏡は部屋の隅に一時避難。仕事用のスペースとして十分な空白地帯を作った。心の中のミニマリストが語りかける。「ミニマリストとはモノを持たないことではない。心に余白、余裕を持つことなのだ…」確かにごちゃごちゃしていないスペースであれば仕事も捗りそうな気がする。

すごい。本当に片付いてしまった。最初の写真と比べると本当にびっくり。

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この変化。心の中のミニマリストに感謝である。根深い浪費癖の私は、おそらくこれからも消費欲やモノを捨てられない癖とは付き合っていくことになるとは思うが、今回心の中に召喚したミニマリストが教えてくれた3つの教訓は、腹に落ちるものがあった。もし「つい散らかってしまう」ことがあって、どうにかしたいと思ったならば、心の中にミニマリストを召喚してほしい。自分の心の中のミニマリストは、モノを捨てろとは言わない。ただ、自分が持っているモノを知り、使い切ることで満足を感じるようになれと、きっと語りかけてくれるはずだ。

5月2日現在、机の上の余白は守られている。

 

今週のお題「カメラロールから1枚」

 

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ブログのビギナーズラックを引き当てたかもしれない

特別お題キャンペーン「わたしと英語」でなんとまあ優秀賞をいただいてしまった。

英語で親しむ海外の文化─特別お題キャンペーン 「わたしと英語」「トーキングマラソンやってみた」の結果発表! - 週刊はてなブログ
2020/05/01 22:12

ありがたい。大変光栄です。しかもAmazonギフト券までいただいてしまった。感謝。

このブログは、新型コロナウィルス対応を期に新卒で入った会社を辞めることを決意したことをきっかけに立ち上げたのだが、いかんせん文章を書いた経験があまりないので、いろんなお題で試しに書いてみようと思いキャンペーンに応募。不甲斐ない事に、ブログを立ち上げた熱量は4月に入って緊急事態宣言対応に忙殺される中でみるみる萎んでしまい、まるで更新しないまま1ヶ月が経過していた。

そんな中での受賞連絡。ビギナーズラックとはいえ、再びブログへの熱量が舞い戻った。自分の書いた文章が読まれたって素直に嬉しいもの。ありがとうアルクさん。社会人になって使わなくなって久しいですが、英語も勉強したいと思います。

 

賞をいただいた記事はこちら 

maireko.hatenablog.com

 

人間、一度ビギナーズラックを引くと、それに味をしめるもの。私もついつい「読んでもらえるブログ」になるにはどうしたらいいのかと考えあぐねた。

今回受賞された他の方のブログを読んでみた。さすがは最優秀賞のブログは特に面白い。航空無線に使われる英単語ってめちゃくちゃ簡単なんですね。確かに「世界仰天ニュース」とかの再現Vをみて、数単語を駆使して会話できるんだなと思ったことがある。

airplanelove.hatenablog.jp

 

他の方の記事を読んで、ブログを書くうえでのヒントを探してみたけれど、「①切り口の明確さ、②具体性」というありきたりな結論になってしまった。ありきたり、というか、王道というか。それよりみなさんの記事、文字の大きさが変わってたり色がついてたり、画像があったり見出しがあったりしてすごい。初心者目線ではそんなことばかり気になる。

 

ビギナーズラックでいい気分になったこの機会に、今一度ブログに取り組みたいと思う。とにかくいろんな文章を書いてみること。そして転職活動のことも、少しずつではあるが進んでいるので、適宜まとめていくこと。「わたしと英語」受賞をきっかけに「わたしとブログ」を考えることになった。兎にも角にもアルクさんに感謝である。

新型コロナウィルスで痛感した「トップダウン」の力

コロナウィルスへの対応で、トップダウンで社員を守ろうとしない会社に絶望し転職を考え始めた経緯はおとといの記事に詳述

maireko.hatenablog.com

 

週があけて、緊急事態宣言を今か今かと待ちわびている自分がいる。人事部員は私だけでなく、役員を除く全員が「会社が決められないなら、早く国が動いてくれ」と思っているのが明らかであった。

広島や京都の大学で卒業生の感染が報道されていた。入社式や新入社員研修の延期を決定していない私の会社にとって、非常に恐ろしいニュースだった。新入社員の卒業旅行については各自に報告してもらい、帰国から2週間以上経過していることは確認しているが、先週末、東京の多くの大学でも卒業関連のイベントが行われていたように思う。卒業式が中止になっている大学でも、聞くと「学科の会はある」「ゼミの送別会がある」という状況だった。某私立大学では、中止した卒業式当日に卒業生が自主的に集まったという。東京の大学でも、卒業旅行帰国者からのクラスター発生が発覚するのは時間の問題だろうと推測している。

 

今日の20時からの都知事会見に期待していたが、緊急事態宣言は出なかった。医師会や諮問委員会では緊急事態宣言を出した方がという意見が出ているとニュースでは言われているが、行政の判断は今日も見送られた。社会的影響など総合的に考えて慎重に判断、というのは事実だろうが、トップダウンの機動力の遅さは、先週私が会社に対して感じたものと同じように感じる。なぜ決められないのか。命や、社会の安全よりも大切なものはなんなのか。

 

経営者や行政には、私には見えていない広い視野があるのだと思う。しかし、「決定」を司るのであれば、メッセージを持って決断を下すことが求められていると私は思う。新型コロナウィルスがはっきりと示したのは「トップダウン」の必要性だ。他社の動向を見ていても、きちんとトップダウンが機能している会社では、社員が在宅勤務などでなれない環境にあったとしても前向きにこの事態を乗り越えようとしているように見える。賛否両論があったとしても、大きなデメリットがあったとしても、決断をすべきタイミングに動くトップを私は支持する。

ミュージカル映画で学んだ英語表現10選

私は中高時代、英語劇部(ESS)に所属していた。クライスメイトに誘われてなんとなく入ったというのが正直なところだった。私立の進学校であったため、ESSに入って英語に触れていれば英語力もつくかなという下心もあった。母校のESSは文化祭で英語ミュージカルの公演発表をしていたため、ESSに入ってから、私はひたすらにミュージカル映画を見て約5年を過ごした。

結論から言うと、ESSに入ったからとて英語テストの点数が伸びることはなかった。帰国子女ではない、いわゆる”純ジャパ”の部員のほとんどは英語力標準レベルだった。ただ、不思議なもので、文化祭でのステージや部活の出し物のために何十回と繰り返した歌詞やセリフは、十数年経ったいまでもふと口をついて出ることがある。定期テストや大学受験では測れない「英会話力(スピーキング力)」にはミュージカル映画をしこたま観てきた経験が生きていると思う。

 

なぜか。ミュージカル映画は大体10曲以上の歌が挟まれるが、その歌詞は普通の映画の台詞よりも圧倒的に覚えやすい。難しい単語が少なく、メロディに乗せることができるからだ。例として、中高時代の英語劇部時代に覚え、私の血肉となった英語表現を紹介する。

 

1. What are you staring at?

「RENT」より「Light My Candle」の歌詞。今じゃ懐かしい「どこ見てんのよ」に近い表現で、使用には注意が必要。このシーンの文脈ではミミは「なんでまじまじと見てるの?」といった感じ。

 

2. Once upon a time when I was just a kid,

「ヘアスプレー(1988)」より「Mama、I’m a big girl now.」の歌詞。「私が子供だった頃、なんとかはなんとかだった(主語は自分じゃない時)」と言うのに使える。

HAIRSPRAY (1988)

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3. Unbelievable sights.

言わずと知れた名曲「A Whole New World」のジャスミンパートより。海外観光中に言いたくなるフレーズ。続く”Indescribable feeling."も感動表現としてストックしている。

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4. He only had himself to blame.

「CHICAGO」より「Cell Block Tango」の歌詞。使役のhaveはこれでマスター。「自業自得よ」という意味合い。

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5. If you'd have been there, If you'd have seen it, I betcha you would have done the same.

同じく「Cell Block Tango」より。「もしあなたが〜だったら、あなたは〜したでしょう」、つまり仮定法過去完了はこれでバッチリ。 

 

6. That's what it's all about.

High School Musical」より「We're all in this together」の歌詞。現在アラサー女子ならこの曲の振り付けがわかる人多いはず。「人生ってそういうこと」みたいな慣用表現で、この前の歌詞は”I finally figured out that all our dreams have no limitations."

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7. past the point of no return

オペラ座の怪人」より。曲名そのままだが、「もう引き返せない」と言う時にそのままそっくり使える。

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8. On my own.

レ・ミゼラブル」より。エポニーヌの歌う「On my own」は「一人ぼっちで(孤独に)」と言う意味と、「一人きりで(自分の意思で)」と言うニュアンスが掛け合わされていて泣ける。

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9. Today, all day I had a feeling a miracle would happen.

「WESTSIDE STORY」より「Tonight」の歌詞。「一日中そんな気がしていた」を言いたい時に使える構文。このままだとロマンティックすぎるけれど。

 

10. You are the one that I want.

「グリース(1978)」より。早口言葉のように口にしたくなるが、「僕が欲しいのは君だけさ」という情熱的なフレーズすぎて日常生活では使いどころがない。

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メロディで覚えてしまった英語表現は忘れない。 「声に出して覚えた」英語は一生モノだ。よく「映画を字幕なしでみて英語力アップ」といった意見を聞くが、2時間程度の映画を理解できてもリスニング力がつくだけで、「使える英語表現」を切り出すのは難しい。趣味の映画鑑賞であわよくば英語力アップも…と目論む方には、ミュージカル映画を見て、英詞で歌えるようになることをお勧めしたい。

 

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新型コロナウィルスをきっかけに転職を考え始めた話

このブログを立ち上げたのは2020年3月28日、コロナウィルス拡大防止のため、首都圏では都知事の要請で週末の外出自粛が行われている。

 

連日緊張度が高まり、買い占めや若者の意識の低さがニュースで取り沙汰されるなか、コロナウィルス(COVIT19)のパンデミックは私の人生に大きな影響をもたらそうとしている。生涯勤めると思っていた会社から、本気で転職したいと考えるようになったのだ。

 

「見えない敵」新型コロナウィルスの感染拡大は、じわりじわりと進んでいった。最初に中国・武漢での発症がニュースとなったのは1月、春節の頃。2月に入り、プリンセス・ダイアモンド号での集団感染が大きな話題となり、2月後半からは市中感染、ライブハウスや福祉施設でのクラスター発生。3月に入ると、イタリアやアメリカなど欧米諸国での感染が爆発的な増加を見せ、世界的大流行。

私は東京の企業の人事部で働いており、新卒採用や新人研修を主に担当している。東京でも数々の企業で感染者が見つかり、在宅勤務が推奨されるようになった。私の会社はテレワークへの取組みが遅れており、その波には乗れなかった。社外でも使用できるPCを貸与されている限られた営業部門の人間のみが在宅勤務可能となったが、私は対象外。ただでさえ忙しい3月の業務に加えて、新卒採用をコロナウィルス対応で変える検討などで慌しく過ごしていた。

 

死ぬほど忙しかったけれど、3月中旬までの私は、コロナショックのさなかにあって前向きな気持ちでいた。「ピンチはチャンス」とはよく言ったもので、何かにつけ現状維持を選びがちな会社上層部に対して、コロナ対策に関しては自分の提案次第で変革することができた。危機に乗じて、もともと問題だと思っていた数々のトピックにメスを入れ、論理的な説明でゴリゴリに上司を倒す。数ヶ月前よりも仕事の面白さを感じていたし、コロナショックをきっかけに、会社を変えることも可能なのではないかと期待していた。

 

しかし、3月26日、その期待は粉々に砕けた。

前日の小池都知事の会見にて、「平日は出来るだけ在宅勤務」「夜間の外出自粛」「今週末の外出自粛」が求められた。私はこの会見を、人の往来を限りなく少なくし感染拡大のリスクを軽減するための社会的要請だと解釈した。新型コロナウィルスは8割の人がかかっても軽症で、無自覚のままクラスターになっている可能性も指摘されている。自粛は、健康状態の人であっても感染を広げないために実施するべきことであり、企業の人事部としては、この要請に積極的な判断をする必要があると私は確信していた。

翌26日、営業部門の人間は半分以上が在宅勤務や有給取得を選んだが、管理部門の人間は軒並み出社。在宅勤務できる環境を持っておらず、この事態の中で急に放り出せる仕事でもない。この状況を見て、私を含め人事部員の大半は「出社禁止を出すなら、期限はいつまでか。その間の勤怠はどうするか。給与は。」と言った検討を進めていた。この時、部員たちの中では「ロックダウン(都市封鎖)を待たずとも、社員の安全と社会への責任を果たすべく、出社禁止の舵取りをするべきだ」という考えがあった。

 

しかし、人事担当役員は違った。「国から外出禁止の”命令”が出ない限り、在宅で仕事ができない人は会社にきて仕事をしろ」と一蹴した。4月に入社してくる新入社員に関しても、「リスクを犯してでも会社に来て、役員や部長からのレクチャーを受けるのが新入社員の仕事だ」と言って譲らない。この期に及んで、会社経営陣として何の判断もせず現状維持に固執する役員に対して、私は反論した。今一番に考えるべきは社員の安全と、公共への協力だ、と。すると役員はキレた。「じゃあなぜもっと早く考えて提案しなかったのか。君たちは今まで何も考えていなかったじゃないか。」私は心の底から絶望した。この会社の経営陣は、行政の命令なしには何も決められない。社員や社員の家族を守るという意識はまるでない。そしてこんな時にも責任転嫁を忘れない。

 

絶望は怒りでもあった。その日一日、私は胸がバクバクして、許せない、悔しい、理解できない、辞めてやる、という気持ちでいっぱいだった。

一日経つと、怒りよりも真剣に自分の将来を考える気持ちが強くなった。

私の第一志望の会社だった。事業内容は私の好きなことで、世間からの評判もいい。人数規模も程よく、いい人が多い会社だった。毎年指折り数えられるほどの人数しか入社せず、エリート主義の会社だった。経営が安定していて、若手の給料は多くはないものの、順調に会社人生を進めばゆくゆくは給料も上がるはずだった。そういう「会社の良いところ」への未練があって、今まで真面目に転職を考えたことはなかった。

 

自分が頑張れば会社の良くない体質を変えていけるかも、と思っていたが、もうそんな気力はない。新型コロナウィルスはこの会社の本性を私の前に顕にしてくれた。私が頑張っても、この会社はそうそうには変わらない。同じ努力をするなら、もっとそれが報われる環境で頑張りたい。もうこの会社に期待するのはやめよう。もう、辞めよう。

 

コロナで経済は傾き、求人市場も厳しくなるだろう。私の転職活動がいつ実を結ぶか、吉と出るかはわからない。ただ、自分の中に見えた今までとは違う道を、自分自身で納得して進むべく、今日私はブログを立ち上げた。3月28日、初心表明。

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