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新型コロナウィルスをきっかけに転職を考え始めた話

このブログを立ち上げたのは2020年3月28日、コロナウィルス拡大防止のため、首都圏では都知事の要請で週末の外出自粛が行われている。

 

連日緊張度が高まり、買い占めや若者の意識の低さがニュースで取り沙汰されるなか、コロナウィルス(COVIT19)のパンデミックは私の人生に大きな影響をもたらそうとしている。生涯勤めると思っていた会社から、本気で転職したいと考えるようになったのだ。

 

「見えない敵」新型コロナウィルスの感染拡大は、じわりじわりと進んでいった。最初に中国・武漢での発症がニュースとなったのは1月、春節の頃。2月に入り、プリンセス・ダイアモンド号での集団感染が大きな話題となり、2月後半からは市中感染、ライブハウスや福祉施設でのクラスター発生。3月に入ると、イタリアやアメリカなど欧米諸国での感染が爆発的な増加を見せ、世界的大流行。

私は東京の企業の人事部で働いており、新卒採用や新人研修を主に担当している。東京でも数々の企業で感染者が見つかり、在宅勤務が推奨されるようになった。私の会社はテレワークへの取組みが遅れており、その波には乗れなかった。社外でも使用できるPCを貸与されている限られた営業部門の人間のみが在宅勤務可能となったが、私は対象外。ただでさえ忙しい3月の業務に加えて、新卒採用をコロナウィルス対応で変える検討などで慌しく過ごしていた。

 

死ぬほど忙しかったけれど、3月中旬までの私は、コロナショックのさなかにあって前向きな気持ちでいた。「ピンチはチャンス」とはよく言ったもので、何かにつけ現状維持を選びがちな会社上層部に対して、コロナ対策に関しては自分の提案次第で変革することができた。危機に乗じて、もともと問題だと思っていた数々のトピックにメスを入れ、論理的な説明でゴリゴリに上司を倒す。数ヶ月前よりも仕事の面白さを感じていたし、コロナショックをきっかけに、会社を変えることも可能なのではないかと期待していた。

 

しかし、3月26日、その期待は粉々に砕けた。

前日の小池都知事の会見にて、「平日は出来るだけ在宅勤務」「夜間の外出自粛」「今週末の外出自粛」が求められた。私はこの会見を、人の往来を限りなく少なくし感染拡大のリスクを軽減するための社会的要請だと解釈した。新型コロナウィルスは8割の人がかかっても軽症で、無自覚のままクラスターになっている可能性も指摘されている。自粛は、健康状態の人であっても感染を広げないために実施するべきことであり、企業の人事部としては、この要請に積極的な判断をする必要があると私は確信していた。

翌26日、営業部門の人間は半分以上が在宅勤務や有給取得を選んだが、管理部門の人間は軒並み出社。在宅勤務できる環境を持っておらず、この事態の中で急に放り出せる仕事でもない。この状況を見て、私を含め人事部員の大半は「出社禁止を出すなら、期限はいつまでか。その間の勤怠はどうするか。給与は。」と言った検討を進めていた。この時、部員たちの中では「ロックダウン(都市封鎖)を待たずとも、社員の安全と社会への責任を果たすべく、出社禁止の舵取りをするべきだ」という考えがあった。

 

しかし、人事担当役員は違った。「国から外出禁止の”命令”が出ない限り、在宅で仕事ができない人は会社にきて仕事をしろ」と一蹴した。4月に入社してくる新入社員に関しても、「リスクを犯してでも会社に来て、役員や部長からのレクチャーを受けるのが新入社員の仕事だ」と言って譲らない。この期に及んで、会社経営陣として何の判断もせず現状維持に固執する役員に対して、私は反論した。今一番に考えるべきは社員の安全と、公共への協力だ、と。すると役員はキレた。「じゃあなぜもっと早く考えて提案しなかったのか。君たちは今まで何も考えていなかったじゃないか。」私は心の底から絶望した。この会社の経営陣は、行政の命令なしには何も決められない。社員や社員の家族を守るという意識はまるでない。そしてこんな時にも責任転嫁を忘れない。

 

絶望は怒りでもあった。その日一日、私は胸がバクバクして、許せない、悔しい、理解できない、辞めてやる、という気持ちでいっぱいだった。

一日経つと、怒りよりも真剣に自分の将来を考える気持ちが強くなった。

私の第一志望の会社だった。事業内容は私の好きなことで、世間からの評判もいい。人数規模も程よく、いい人が多い会社だった。毎年指折り数えられるほどの人数しか入社せず、エリート主義の会社だった。経営が安定していて、若手の給料は多くはないものの、順調に会社人生を進めばゆくゆくは給料も上がるはずだった。そういう「会社の良いところ」への未練があって、今まで真面目に転職を考えたことはなかった。

 

自分が頑張れば会社の良くない体質を変えていけるかも、と思っていたが、もうそんな気力はない。新型コロナウィルスはこの会社の本性を私の前に顕にしてくれた。私が頑張っても、この会社はそうそうには変わらない。同じ努力をするなら、もっとそれが報われる環境で頑張りたい。もうこの会社に期待するのはやめよう。もう、辞めよう。

 

コロナで経済は傾き、求人市場も厳しくなるだろう。私の転職活動がいつ実を結ぶか、吉と出るかはわからない。ただ、自分の中に見えた今までとは違う道を、自分自身で納得して進むべく、今日私はブログを立ち上げた。3月28日、初心表明。

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